永沢はここぞとばかり、トシさんに
「せっかくだから、連絡先を交換しませんか。」
と申し出ました。
トシさんは
「あ、ああ、そうですね。せっかくですから交換しましょう。」
とおっしゃてくれました。
家に帰る途中に永沢は早速以下のようなメールを送りました。
「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。
よかったら、今度美術館にいきませんか。」
思い切ってメールを送りました。
そこから一週間、トシさんからの連絡はなく、、、。
もうだめかと思った時、トシさんから連絡がきました。
「ああ、かっこいいし、自営業なんて、今らしくてすてきだわ。」なんて、このころの私は甘いことを考えていました。
時間も遅くなってきたので、会はお開きになりました。
最寄りの駅に到着しました。
永沢は、トシさんの連絡先が聞きたかったのですが、トシさんからはなかなか聞かれず、もやもやしていると、妹が
「二人とも、連絡先を聞かなくていいの?」
ナイス!妹よ。ありがとう。
永沢はここぞとばかり、トシさんに
「せっかくだから、連絡先を交換しませんか。」
と申し出ました。
「こんにちは。永沢と申します。」
「・・・。こんにちは。トシといいます。」
一瞬、無口な方なのかな、と思いましたが、話してみると楽しい方でした。
自己紹介が終わり、仕事、趣味のことを話しながら、進んでいきました。
途中、妹と彼氏もありがたいことに、盛り上げてくれました。
トシさんは、一流企業にお勤めでしたが、歯車になりたくなくて、自営業になったということでした。
来週の週末には、芸能人とビジネスを始める、ということでした。
「ああ、かっこいいし、自営業なんて、今らしくてすてきだわ。」なんて、このころの私は甘いことを考えていました。